NAGASAKI!旅の醍醐味

長崎に着ました!

でも。。。

長崎に着く前のちょっといい話!

長崎に向かう特急電車かもめの途中。
浦上駅より2駅くらい前の駅で、荷物をいっぱいもったお婆ちゃんが、私の隣に座った。
私は窓側に座っていて、キモチ軽く左側に寄って、長崎までの田舎風景をぼーっと見ていた。
すると膝の上あたりがオレンジ色した。
ぱっと目をやると、お婆ちゃんは小ぶりの蜜柑を差し出していた。
すごく自然な流れで蜜柑をもらった。
『・・・いいんですか?ありがとうございます。』
私は少し迷った。
このまますぐに食べてニコリか・・・食べずに持って長崎まで乗っちゃうものか。
ちょっとの間、考えて食べることにした。
このお婆ちゃんはいい人や。(疑わずに食べだすのも怖いご時勢?)
キレイにむけるかちょっとドキドキしたけど、キレイに5つ星型にむけた。
お世辞抜きでとても甘かった。
『すごく甘いですね。美味しいです。』

蜜柑の皮を膝の上で持ったままでいたら、
お婆ちゃんがカバンからビニル袋を取り出してくれた。

そこから会話が弾んだ。
お婆ちゃんは積極的に質問をしてくれた。
たしか最初の質問は、『あなたは長崎の人?』だった気がする。

私の出身地とか長崎で昔何してたとか、結婚はしてないとか話した。
カゴバックが可愛いと褒めてもらったりした。
私もお婆ちゃんのことをたくさん聴いた。
お婆ちゃんの出身地とか、娘は3人とか、お婆ちゃんのダンナ様は学校の先生をしてたとか、
お婆ちゃんの兄弟は京都にいるとか。

お婆ちゃんは、今、島に住んでいる。
周りが海で、朝日が素晴らしいんだって。
場所は浦上駅からまだバスで2時間もいったところ。
将来結婚したらダンナ様と一緒に島に遊びにおいでと
住所を教えてくれた。

あっという間に浦上駅についてしまった。
ずっとひとり旅だったので嬉しかった。
私の最後の質問は、たしかお婆ちゃんの年齢。
『おいくつですか?』
『もう80歳だよ。』

まったく見えない!!!!!!!!

うちのおじいちゃんと同じ年。
こんなひとりで電車乗って長く移動とか足腰悪くて無理だろう。
ビックリしてそのことを伝えた。

耳も遠くないし、本当にお元気!

嬉しさがもっと増した。
最後お婆ちゃんが電車を降りる時に、お婆ちゃんの足元の大きな風呂敷を持ち上げた。

すごく重いの。
『コレすごく重たいですね!』
またビックリした。

お婆ちゃんは『ありがとう。長崎までお気をつけてね。』と言って
ゆっくりゆっくり動いて電車から降りていった。

お婆ちゃんが改札行くまで窓ごしで見送っていた。
お婆ちゃんのちいちゃい背中がゆっくり改札まで動いていく。

切符を取り出すためにお婆ちゃんは足を止めた。

もう電車から距離もあるし、こっち向かないだろうなと思ってた。

切符を見つけたお婆ちゃん。

最後の最後で、こっちを振り向いた。

明らかに私を見つけようとしている。

私は一生懸命、手を振った。気付いてほしくて、手をいっぱい振った。

お婆ちゃんは、私に気付いて手を振り替えしてくれた。
お婆ちゃんは、にこやかに笑って手を振ってくれた。

私は、初めて会ったお婆ちゃんなのに、凄く胸が苦しくなって
手を振りながら涙が出た。

悲しいわけじゃないのに、涙が本当に出た。
嬉しかった。強く感動した。

思ってもいない涙は、思ってもいないくらいたくさん流れて、私を困らせた。

本当1時間も一緒にいていないけど、出会えてよかったって思った。
あんな風な女性になりたい。
旅の醍醐味を、長崎に着く前から味あわせてもらった。
お婆ちゃん、ありがとう。