悲惨

私は感動していた。
知らない大勢の人に私の生まれた日の夜空を見られようが、自分の特別な日の星空に包まれて。うっとりしていた。

だみ声のお母さん的な声が急に場内に響いた。

『あなたの恋愛運は・・・』
結構急に始まるものなんだね。ドキドキ高まるよ。


『・・・波乱に満ち溢れているでしょう。』


・・・(゜ε゜;)    ええーーーーー!!!!
でぇええええええ???
周りからクスクス聞こえてるよ?ざわつき感じるよ?(笑)
横にいる先輩、明らかに笑いこらえてるよ?(笑)
あんなに張り切って前に出たのに、何?このザマ・・・
てか、このシステム何?あたしお客だよ?全員に自分の運勢を聞かれる。ましていいこと言われれば、優越感に浸れるのに、その真逆だとなかなか痛いモノがあるよ。

そのまま、波乱を回避する術(すべ)を教えてくれる間もなく声は続く。
『金運・・・』
つ・・・次で挽回できるでしょう!
『・・・努力すれば貯まるでしょう。』


当たり前だろうがよーー!!<(TOT)>


2回目の動揺。場内のざわつぎが増した気がした。
星の動きにまったく左右されない合理的な回答がやってきた。努力すれば貯まるって!?
なんか全体運を覚えていない。自分の思考に、あのだみ声をシャットアウトするようシステムが組み込まれたのだろうか。
気がついたら場内の明りも戻り、妖精が話しかけていた。
妖精『・・・林さん、恋愛運は波乱のようですがー・・・(コメントに詰まる感じ)いかがだったでしょうか?(営業スマイル!)』

林さん『・・・よかったですー。』

何がだよっ!?

退場の際はいかに他のお客さんと目が合わないようにするかで必死だった。
でも協力したおかげで、占いの無料券を頂きました!別館でマンスリー運を占ってもらいました。

すごい体験やった・・。